つむぎの森へようこそ〜こころとからだの深呼吸

ホリスティックケア、Loving Touchcare、タッチケア、医療的ケアが必要な子へのタッチセラピーなどこころとからだがゆったり呼吸できるセラピューティックな場を提供しています。

木漏れ日のさす森へ

昨日は主宰するケアルーム「つむぎの森」の誕生日。
あの日、小さな種を蒔きました。

多様な命の存在が柔らかに微笑み合い、認め合い、触れ合い、内なる愛の感覚を育み、紡ぎ合う森ができるようにと願い「つむぎの森」と名付けました。
当時、おそらくこの名前は世界に一つしかありませんでした。

たくさんの出会いがありました。良いことも、挑戦だと感じることもありました。その一つ一つが、種を育てる栄養になりました。18年を迎える今、木漏れ日のさす心地よい森になっているといいな、と思います。

未知のウイルスに行動や身体的な接触を制限され、海の向こうでは、戦争が始まりました。
インターネットで近くなった世界はお互いを認め合い尊重する世界を生み出していると思っていたのですが、それは幻だったのだ、人はかくも残酷である、という証明をされているかのような現実に、深い憤りと悲しみを感じていました。

桜の季節、出会いと別れの記憶が複雑に混じり合うこの時期、私たちに何ができるのか、突きつけられているようです。

そしてその感覚は、戦争というはっきりした対象でなくても、日々接する社会でも感じていることかもしれません。

今日は、つながりの再確認と、自分自身の身体との対話を通して心をケアするオンラインの会「愛とともに触れるラヴィングタッチケアと愛の種の瞑想会」を開きました。

手の感覚を目覚めさせるタッチ、身体と心のつながりを再構築するタッチケア。

「包む」という文字の語源から辿り、愛の種を植えました。

いつか、この種がそれぞれの内なる庭で芽を出し、伸びやかに大地を覆い、花を咲かせ、森となりますように。

10年後、今日ご一緒した皆様と、愛の種のシェア会を開きたいな。
きっとその時は、新しい価値観、人を思いやり、尊重し、愛の力を疑わない世界になっていることでしょう。
わたしたちがあきらめなければ、きっと。



かけがえのない今日が


今日の大阪は一気に春めき、庭の沈丁花が甘酸っぱい香りを放ち始めました。

大坂城ランも、真冬は足が遠のいていましたが、3月からは週2に復活しています。走るのって楽しい😊

野外音楽堂からライブの楽しい音が聞こえてくるので、森之宮経由のランニングコースを走っていると、卒業式の帰りとおぼしき、袴や色鮮やかな民族衣装を身につけた若い方があちこちでニコニコと写真を撮っておられて、胸がえぐられるようなニュースの痛みが、少しやわらぎました。

おめでとう。未来を作る若い方たち。

かけがえのない今日が、明日も当たり前の今日でありますように。

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ロイヤルグリーンホジャリの澄み渡る香り



聖書には植物の香りを用いた記述がたくさんあります。

何千年もの間、香りや植物が人々の暮らしといのちを支え、生活を豊かにするなくてはならないものと知られていました

キリスト・イエス様の誕生日のとき、良き徴(しるし)を告げる星を見て
東方の三博士が当時もっとも高価であった黄金とミルラ(没薬)とフランキンセンス(乳香)の献上品を携えて、生まれたばかりのイエス様の元を訪れたことも聖書には記され、イエス様はフランキンセンスを選んだと伝えられています。
当時は、お茶碗いっぱいのフランキンセンスの香油は家を一軒買えるくらい価値のあるものでした。

20年以上、植物の香りとともに暮らしてきましたがフランキンセンス精油は大好きな香りのひとつ。

苦しみもがいた眠れぬ夜に何度助けられたことか。
そして、人生の岐路で立ち止まり、迷う人の心を優しく包み込む瞬間に何度立ち会ったことか。

樹脂から水蒸気蒸留されるフランキンセンス精油は、樹脂のグレードで香りも全く異なります。
これはフランキンセンスだけでなく、どの精油にも言えるのですが、産地と栽培方法、自然環境、蒸留のセンスの相乗効果で、深く響き合う美しい香りになるのです。
メディテーションや祈りの場で用いられるには理由があります。

フランキンセンス愛を届けてくださるアロマ仲間から、最高級のフランキンセンスが届きました。
左側の写真のフランキンセンスの樹脂をご覧ください〜!

ブルーグリーンの小さなロイヤルグリーンホジャリ。

こんなに透き通った樹脂は全体の1割もなく、形の良い大きくてきれいなものはスルタン(権威者)の元へ行くので市場にはあまり出てこないようです。

フランキンセンスの主な成分ボスウェリア酸は比重が重くて水蒸気蒸留法ではあまり抽出できず、
原産国のオマーンなどでは、樹脂をガムのように口に含んだり、お水に溶かしたり、焚いて用いることの方が一般的。
(自己責任です。はやしは精油の飲用や直接塗布を薦めていません!)

わたしも、いろんなフランキンセンス樹脂や精油とお付き合いしてきましたが、ここまでグリーンに透き通るものは初めてです。

等級的には、
グリーン〜ブルーグリーン〜白〜茶色〜こげ茶に色が変わっていきます。

フランキンセンス精油の香りは呼吸器に良い成分を含みます。
香りもとっても新鮮。
澄み渡る草原のようなクリアな香りを
早くみなさまと、分かち合いたいです。

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息を吸ってわたしは静か


今日はラヴィングタッチケアのフォローアップミーティングを開催しました。

在り方を重視したラヴィングフィールドを構築し、自分自身のセルフタッチケアから始まりました。

オンライン越しでも伝わる暖かいまなざし。
感謝の思いが空間を満たし、呼吸を手がかりに内側への意識を開いていきます。

息を吸ってわたしは静か

息を吐いてわたしは微笑む

心の師として慕うティク・ナット・ハン師の言葉を、身体いっぱいに感じる静けさ。

温かい手のぬくもりが、こころと身体に広がりました。

いま、ここにいる喜び。
いま、ここで感じるしあわせ。

参加してくださったみなさんの柔らかな微笑みをみて、さらに深い安心感につつまれました。

たくさんのユニークな質問をいただきました。

薄筋への気づき
寝落ち問題
閉眼と開眼
sympathyとempathyとcompassion
視線触発
僧帽筋と後頭下筋群

こころと身体を巡る旅を共にしました。楽しかった〜!

今年はわたしの個人的な事情がありワークショップなどもあまり開催できず、この機会にラヴィングタッチケア講座のリニューアルも考えています。

気楽に集い語るフリーのミーティングも企画していきますので、楽しみになさっていてくださいね😊

ご参加くださった皆様、ありがとうございました✨ハグ!

新年あけましておめでとうございます。


新年あけましておめでとうございます。

穏やかな日の光と溶け合うような朝でした。

変わらないもののありがたさ。
変わることの勇気。

2022年が皆さまにとって、実り多い喜びと笑顔でいっぱいの一年となりますように。

大晦日恒例3時間でおせち作り(黒豆は3日かけました)も無事間に合い、紅白とともにいただきました。

とっても良いあずきが届いたので、元旦から明日の小豆雑煮用とトースト用のあんこを炊いています。

「おいしゅうなれ、おいしゅうなあれ」

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年末のご挨拶と御礼


今日は仕事納め。
寒い中、ご遠方から足を運んでいただきました。
みなさま、本当にありがとうございました。
大掃除と棚卸しを済ませ、ほっと一息ついています。

2021年は社会状況の中で、自身の活動について考える機会が多い1年でした。

ふれあい、手を伸ばし、肩を抱いて笑い合い、身体的な接触のなかで、安心感を感じるホモサピエンスである私たちにとって、行動に制限が張り巡らされているこの状況は、可能性への挑戦でもあったと思います。

「触れるケア」を日々提供しているわたしも、安全に必要としている方へ届けるための工夫を行い、可能性を探る2年でした。

ありがたいことに新しいご縁をいただいた方は例年より増え、オンラインでのタッチケアやご相談など、2年前には考えもしていなかった今があります。
そして、長年お世話になった大切な場所からも、卒業させていただきました。

2014年に立ち上げたラヴィングタッチケアプロジェクトも、多くの方にご協力をいただき、無事に本年の活動を全て終えることができました。

みなさまからのご支援のおかげで、お子さまやご家族へ成長と発達、親子の絆を深めるタッチケア活動を継続できましたことを心より厚く御礼申し上げます。

来年度も、ご希望くださるお子様、ご家族の皆様にとって、
かけがえのない豊かな時間をサポートできますようプロジェクトとして、いち個人として、タッチケアセラピストとして、誠実に努めて参りたいと気持ちを新たにしています。

本年も大変お世話になりありがとうございました。
つむぎの森は12月30日より1月4日まで年末年始の休業をいただきます。
メールの返信なども1月5日以降になる可能性もございます。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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ふれる、触れられる、安心感のケア


今日は今年最後のワークショップ、対面でのラヴィングタッチケア基礎講座「こころと身体システムの統合をもたらすタッチケアワーク 触れる、触れられる、触れ合う」第4講座を開講しました。
通常は2日間のワークショップですが、今回は、オンラインで座学とセルフタッチケアを3日かけて学び、対面を半日というスタイルになりました。
日本各地から集まってくださった障害児教育やこころのケアの専門職やセラピストのみなさまは、すでにオンラインでつながり、触れあってきたこともあり、終始笑いの絶えないクラスになりました。

神経知覚(ニューロセプション)への安心のメッセージがもたらす、心と身体の深い変化。
相手の状態に過度に同調することを防ぐコンディションの整え方。
「いま、ここ」への気づき。
物質としての身体と、微細な身体エネルギー、情動をコントロールする呼吸。

ラヴィングフィールドの構築、
つながりの神経系のスイッチをオンにする触れる側の在り方、
グラウンディングとセンタリング、
相手の状態との共鳴を高める内受容感覚への繊細な気づき、
アイコンタクトや、柔らかな響く声のための身体の準備、
そして、マッサージテーブルでの全身へのタッチケアセッションまで、
ワーク&シェアの密度の濃い時間を、共にしました。

ラヴィングOS へのアップデートも全員完了!
どの瞬間も、どのタッチも美しく、素晴らしい一体感のあるクラスでした。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
対面での開催に最後まで悩みましたが、同じ空間での響きが心地よく、開催して良かったと思います。
感染対策などご協力いただき、本当にありがとうございました😊

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成長発達する赤ちゃんへのタッチケア


朝から3件のオンラインでのタッチケアレッスン。
小さく産まれた赤ちゃんのレッスンでは、毎月毎月逞しく成長していく姿を間近で見せていただきます。
予定日より早く生まれてきた赤ちゃんは個人差がありますが、保育器やNICUで長い時間を過ごすことも多く、コロナ禍では面会時間も制限されて、アタッチメントを育む機会や、脳の成長に必要な感覚刺激を受ける機会も少なくなります。

病院のNICUに入院している赤ちゃんへのタッチケアは、お母さんの赤ちゃんへの愛おしさを引き出し、関わりの中で自然に声かけやふれあいが生まれるよう、心をくばります。

もうお一組は、NICU退院後から、一年以上、毎月のお付き合いをさせていただいています。

聖なる雰囲気をまとっていた新生児さんの時期。ゆっくりと目を動かすタッチケアからはじめていた赤ちゃんは、ゆっくりのペースですが、驚くほどの発達をされています。
タッチケアは、歌を使ったり、お母様と相談をする中で、目の動き、お口の動きを助けたり、眠ることを助けるタッチケア、食べることをサポートするタッチケア、抱っこの方法など、臨機応変に。
「遊び」と「楽しい気持ち」を大切にしています。

緊張でいっぱいだったお母さん、お父さんが、タッチケアでお子様がほわーっと力を抜いたり、笑ったりする姿に、笑顔になられると、「触れるケア」が安心感そのものであることを、改めて実感します。

赤ちゃん、こどもたちが生きる世界が、少しでも優しく、光で満たされますように✨

慈しみのまなざしとの対話


奈良は秋がよく似合います。
満開の金木犀の生垣が、世界は芳しい香りと色彩で満ちていたことを思い出させてくれます。

20代の私は失意のどん底にいました。
体調を崩し、仕事を失い、経済的にも困窮し、痛む体を抱えて、希望を持てず、未来を信じられなくなっていました。

今ならその時の私にも、見守ってくれている家族や友がいたことに気づいていますが、当時は「ひとりぼっち」「誰も助けてくれない」「何もできない無力な自分」の幻想の中で苦しんでいました。

特別な宗教に属したことはありませんが、歴史が好きだったことを思い出し法隆寺に行こうと思い立ったのです。
体力がなく、法隆寺に辿り着くだけでふらふらでした。
法隆寺の隣に、聖徳太子の母・穴穂部間人皇女(間人皇后)ゆかりのお寺があると聞き、足を引きずり参拝に訪れました。

池の中に立つ本堂の奥に半跏思惟像と呼ばれる美しい観音様が待っていてくださいました。
右足を組み、右手を頬にあて、まるで私たちの話に耳を傾けているような、穏やかな息遣いが聞こえてきそうな、あるいは小首をかしげて深い思索に耽っておられるような、柔らかなお姿に雷に打たれたような衝撃が走りました。

慈愛のまなざしに動けなくなり、息が止まるように感じ、なぜか涙がポロポロと流れました。
畳に座り、長い長い時間、観音像と見つめ合い、私の内側に気づかれることを待っていた思いとともに対話をしました。

観音様は1000年以上、いくたびもの戦乱をこえ、宝冠も胸飾りも失い、それでもなお柔らかな微笑みをたたえたお顔で、人々の祈りを聞き続けてこられました。言葉にならない、力強いエネルギーに触れたような気がしました。

初めて訪れてから30年の間、何度も訪れました。
一人で、こどもを連れて、夫婦で。

being とは何ですか、私にできることは何ですか、
必死の問いかけに対して、
「大丈夫、わかっているよ。一人じゃないよ」
と慈しみと勇気の混じり合ったまなざしをいただき、励まされてきました。

今日は奇跡のように誰もいない本堂で、堂守のかたとお話しする機会も得ました。

本尊様はこの時代には珍しい楠の寄木で、ちょうどお顔も半分づつ組み合わされていること

頭頂部の2つの塊は、おそらく宝冠のアタッチメントであること

当時の女性の髪型をしていらして後ろに伸びた髪と、長く伸びた髪をわらび様に編んで肩に垂れていること

元は黄金であったが、江戸時代の狭いお堂での蝋燭の油煙で黒いおからだになられたこと

観音像は手が長く、半跏の姿勢も人間には無理であること

そして、ほとんど誰も見ることができないが、背中は水泳選手のように鍛え上げられていること(貴重なお写真も見せていただきました)

あの日から30年後の今日は格別な思いで対面しました。
かつて一緒に過酷な旅をした仲間に再会するような懐かしさで胸が痛くなるほどでした。

ひとりではありませんでした。
一緒にいてくださって、ありがとうございます。
感謝を伝えることができました。
あの時のわたしにも、伝えられたらいいな。

中宮寺を後にし、年に2回、2週間ほど開扉される夢殿の秘仏救世観音像と、一年のうちたった3日だけ一般公開される上御堂の釈迦如来を目指して法隆寺へ。

夢殿と呼ばれるようになったのは平安時代のことらしく、太子が法隆寺に参籠して瞑想にふけったときに、黄金でできた人が現れる夢を見たという言い伝えに基づいています。
夢殿は太子を供養する場であると同時に、太子が見た夢の場でもあり、今は、人々を救済する黄金の救世観音像が鎮まります。

太子の面影を残していると伝えられているお顔はふくよかで優しく、目にたたえられた笑みはユーモアさえ感じられ、同じく法隆寺に伝わる百済観音像の薄い体躯の悲しげな表情と対比的でした。

上御堂の建物は鎌倉時代に再建され、平安時代の国宝の釈迦三尊像を室町時代の四天王像が守ります。
人気も少ない時間帯だったので、ゆっくりと瞑想をしていると御堂の脇に何気なく置かれている、光背のようなものと彩色を施した厨子に気がつきました。

近くにいらした僧に尋ねると、こともなげに「源頼朝の太鼓ですわ。ほんであの箱は、フェノロサが明治時代に開けた厨子で、中に入ってたのが夢殿の救世観音像ですわ」と。
え、え!あまりにもさりげないので誰も気づいていませんけど。
と驚きの体験もさせていただきました。

もし、来年上御堂に行かれる方は、ぜひ、三尊像の両脇に、何気なく置いてある太鼓とお厨子をご覧になってくださいね!

夕方、鐘の音に送り出されて家路へ。
やっぱり、つぶやきました。
「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」子規

(中宮寺ホームページ から観音像のお写真をお借りしました)

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特別なケアが必要なこどもへのタッチケア講座開講します。

*こちらの講座受講は、ラヴィングタッチケア基礎講座、赤ちゃんのためのタッチケアとふれあい歌(リズミックタッチケア)講座いずれかの修了生を対象としています。


つむぎの森でのラヴィングタッチケア基礎講座受講者を対象に、
小児緩和ケア領域、NICU、在宅訪問などでの小児がんや症状のある
特別な医療ケアが必要なこどもへの家族の関わりを重視するタッチケア活動から考える
つながりと安心感とを支える小児タッチケアについての考察を土台にした
2部からなる講座を開講します。


成長期の子どもにとっての病気や入院治療は、症状、治療の辛さに加えて、大好きな家族や友人に会えず、
子どもらしい自由な動きも遊びも学業も制限される大きなストレスになります。
年齢が進むと自分の病気を知り、周囲に心を閉ざしてしまうことも少なくありません。


病気のこどもたちへのタッチケアは、発達途上であることや、疾患や治療による身体的な脆弱性を有し、
発達年齢によってコミュニケーションや病気の理解、痛みの表現も異なります。


この講座では、子どもの発達に合わせたサポート、
心と身体の状態、行動のアセスメントによるタッチケアの組み立て、介入時の注意点、
また終末期も視野に入れたこどもと家族の支援について
「ただ一つの正解」ではなく、考察とディスカッションも含めて深めていく内容となっています。

全2日間、各4時間の講座はオンライン開催となります。


第1部は、タッチケアや子どもたちの環境、発達についての概論となり、
第2部は、全人的ケアとしてのタッチケアの実践について、知識と経験を積んだセラピストとしてのタッチケア、
家族への指導を含めた実践ワークを行います。

<テーマ>
「小児緩和ケア領域、NICUなど特別な医療ケアが必要なこどもへの家族の関わりを重視するタッチケア活動から考える
〜特別なケアが必要なこどもと家族の
つながりと安心感を支える小児タッチケア 理論と実践 」
お申し込みはこちらから


<対象者>
:つむぎの森主催の「ラヴィングタッチケア基礎講座修了者」
「赤ちゃんのためのタッチケアとふれあい歌(リズミック)タッチケア講座修了者」の
いずれかの受講修了者


<日程と時間>
□第1部 2021年11月27日10時ー14時 オンライン


□第2部 2022年1月8日 13時−17時 オンライン


<受講費用>第1部15,000円(税込)第2部 18,000円(税込)
<動画視聴>事前申込の方に限り、動画視聴のみの御受講も可能です。視聴期限は2ヶ月
<最小催行人数>:1名 
<お申込み方法>:事前申し込み、事前振込みをお願いします。
<キャンセルポリシー>:全ての講義を録画し、2ヶ月間、後日視聴いただけますので、
ご入金後のご返金はいたしかねます。今一度ご確認の上、お申し込みください。
ただし、講師都合、天災、不慮の事故などの場合は全額をご返金いたします。


◆講師:はやしひろこ
◆講座のコンテンツ予定(予告なく変更になる場合があります)
<第1部 11月27日>
・小児へのタッチケアとは
・特別なケアが必要なこどもたち
・病気と診断されたこどもたちの心と身体、環境
・小児の発達と痛みの表現
・発達段階による病気の理解とコミュニケーション
・子どもの行動評価とタッチケア
・介入時の手順の一例
・小児タッチケア施行時の注意点
・最新のタッチケア研究
・こどもと家族の関わりの支援のポイント


<第2部 2022年1月8日>
・全人的ケア 補完療法としてのタッチケア
・タッチケアのストロークライブラリ
・アタッチメントと安心感のケア
・触覚とアタッチメント
・痛みへのタッチケア
・こどもの成長発達に欠かせない遊びの視点とリズミックタッチケア
・家族、養育者への指導方法
・感染対策
・ケース検討を通しての実践ワーク
・こどもの非言語的サインとアセスメント


【必ずご確認下さい】
修了書などの発行はいたしません。
また配布資料はファイルを送付しますので各自でのご準備となります。




◆講師プロフィール:
ホリスティックケアルーム&スクールつむぎの森R主宰
保育士、NPO法人日本ホリスティック医学協会理事
ラヴィングタッチケアRFounder、ラヴィングタッチケアRプロジェクト主宰。


米国Touch Research Instituteでの研修、医学部生、看護協会、看護大学、幼稚園、小学校などでの講師活動、
子育て、臨床の場での施術経験からラヴィングタッチケアRを伝える。
2005年より乳幼児へのタッチケア指導を行い、ラヴィングベビータッチ教室を開催。
市中病院や在宅での小児がんや難病のこどもたちへのタッチケア、NICU・GCUでも活動を行っている。
大阪府立大学総合科学部人間関係科卒。日本心理学会認定心理士。
著書に「赤ちゃんとママのしあわせタッチケア〜ラヴィングタッチで親子の絆をはぐくむ♪」学陽書房


ご不明な点などありましたらお気軽にご相談ください。
ご一緒できますことを楽しみにしています。

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まなざしで、声で、思いを伝える安心感のケア


触れることは触れらること。触れることは愛を伝えること。
触れる、触れられる、触れ合う安心感のケア、ラヴィングタッチケア基礎講座を開講しました。
今回は初のオンライン+対面講座の4分割で企画し、昨日の第3講座では、オンラインでのセルフタッチケアワークを行いました。マンツーマンや練習会はさまざまなワークをオンラインで行いますが、ペアでのオンラインタッチケアワークを行うのは初めて。私にとっても挑戦になりましたが、全くの杞憂であることがわかりました。

座学で学んだタッチケア理論、繋がりと安心の神経系について、皮膚と脳のメカニズムなどから、タッチケアでもたらされる心地よさや幸福感、痛みの緩和や自己への気づきなどについての考察を「体験」する自分自身を慈しむタッチケアのワーク。
3時間の予定が、2時間近くオーバーするというオンラインだからかろうじて許される(?)講座になりましたが、日本中から集まってくださったオンタイムの受講者、また動画視聴の方と「触れるケア」の可能性について考えました。

ラヴィングフィールドを構築し、まなざしと声で触れるワークでは、オンラインであっても「つながり」と「安心」が十分に伝わり、心と身体に大切に触れられる経験を分かち合いました。
回を重ねるごとに、クラスのまとまりが出てくることで、タッチケアの体験が深まっています。
海の底から見上げた光に包まれてのワークは美しく、満たされました。

ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました😊

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秋はどこへ


新型コロナ禍でのおうち時間爆増のおかげで、オンラインを駆使して勉強できる幸せを満喫しています。

解剖実習もオンラインで学べる時代、
今年はアカデミックな認知発達とアタッチメント論を再履修し、応用行動分析とソーシャルエモーショナル論も深めています。

タッチケアは身体プロンプトとして、また強化子として有効であると実感。
手遊び歌タッチケアとの関係ももっともっと掘り下げたいところ。

早朝からの言語聴覚士さんのABA指導論が終了し、今日は1日かけて言葉の発達における動作模倣を学びます。

終わったら、金木犀のかおりを求めて、走りに行こう。

今年はまだ一回も金木犀の芳香浴をしていません。
秋はどこへ行った〜!

今日もきっと、良い日。

祈りなき行動は


岡崎まりさんの空海と最澄を描いた傑作『阿吽』の最終章を読み、東寺へ。

今空。

季節が変わる。

大日如来さまと目が合うといつも涙がポロポロ流れる。
マスクでよかったなあ、と思う。

空海は言う。
「祈りなき行動は妄動であり、
行動なき祈りは妄想である」と。

隣に杖をついた高齢の女性が、腰を降ろされ
「なんやろうね、
ここの仏さま見てたら、なんや、
ありがたくなって、泣いてしまうんよ」

と誰に言うでもなく、つぶやかれ、一緒に、手を合わせる。

奈良に向かう空には半円の虹。

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こどもの脳とマルトリートメント


先日受講した、福井大学こどものこころの発達研究センターの友田明美先生の大人の関わりとこどもの脳への影響に対するご講義。
『こどもの脳を傷つける親たち』などの著書でもマルトリートメント(避けたい関わり・不適切な養育)という視点で、こどもの脳を傷つける親の言動を、科学的に精力的に研究されていますが、数多くの脳の研究からこどもの心に向き合ってこられた友田先生の言葉と示される研究データの重みが、胸に刺さりました。

ACE(逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experiences)研究でもマルトリートメントが健康や寿命に及ぼす影響は大きく、心疾患や慢性疾患、がんにかかるリスクは3倍、寿命が20年も低下する、と言われています。小児期初期あるいは胎内期での不適切な関わりは、こどもの神経発達の混乱を引き起こし、社会的・情緒的な障害、認知の障害を経て、心身の健康に生涯にわたって影響を与えます。

友田先生はマルトリートメントを「不適切な養育」「虐待」と受け止められてしまうと、親の心が一瞬で閉じられ、また「虐待」という言葉のイメージとの齟齬が返って、マルトリートメントが見過ごされてしまう要因になる、と考え、<マルトリートメント>を「子どもへの避けたい関わり」と定義されています。

そして、この「避けたい関わり」であるマルトリートメントは、子育てをしている親にとって、とりわけワンオペ育児であったり、発達に課題のある子どもを育てている親には、かなり厳しい、きつい内容です。

ワンオペ育児で、ユニークでマイペースなこどもたちの子育てをしていた私も、身に覚えのあることばかり。
愛情深く、いつも笑顔で、受容的な関わりをしたいと考えていても、睡眠不足や焦りや孤独感、疲労感が蓄積されていくと、どれだけ愛があったとしても、思うようにいかないこともしばしば。
タッチがあったから、乗り越えられたこともたくさんあります。

身体的な暴力はもちろんわかりやすいですが、子どもを一人でお留守番させることや、子どもの前で夫婦が口喧嘩をすることも、子どもの脳を変形させ、前頭前野を萎縮させ、扁桃体は変形し、兄弟間の比較発言で聴覚野の神経シナプスの変形により会話が入らない状態などが起こることも、16万人の子どものデータ解析からわかってきたそうです。

ここまでだと、ぐったり落ち込んでしまいます。
だって子育て中の養育者にとって、追い詰められた環境の中で、絶対ダメだと頭でわかっていても、どうしようもない孤立無援の状況で、本意ではない言葉や行動をしてしまう経験は必ずあると思うからです。
あのときの、あの言葉が!あの行動が、と思うと、気持ちが全部持っていかれてしまい、本当に必要な支援がとどきません。

センセーショナルな脳の損傷についてプラスが欲しい。

支援のプロセスの具体的な方法やマルトリートメントによる脳や心身の傷の回復の可能性があります。
愛着の再形成がキーとなります。
対人支援や子どものサポートを行う上で希望になります。
脳の可塑性についても、もっともっと研究がすすみ、例えば、愛着の再形成におけるタッチケア の可能性も研究が進むことを願います。

一生懸命がんばっているお母さん、お父さん、養育者を責めない伝え方、サポート体制、子育て中の方だけでなく、社会全体でこどもを育てていく仕組み作りに、もっと時間をかけていきたいと考える秋の夜長。

ありがとう『りなちゃん、聞いて。』


2008年6月、アロマ セラピストの社会的地位向上と普及、研究などを目指して、産婦人科医師と小児科看護師、アロマセラピストであるわたしと、アロマセラピスト仲間ともにNPO法人を立ち上げました。
定款の作成、省庁への申請、助成金の申請、活動のための会議。
若くて、希望に燃えていました。
徹夜になることもしばしばでしたが、頑張れました。
今も大活躍されているアロマセラピストやホリスティック医療に携わる医師らのご協力もいただき、補完療法であるアロマ セラピー、タッチケア を究めようと、毎日のように活動に没頭していました。

NPO団体では、タッチケア での母子支援、女性支援、東日本大震災の時には東北での支援活動を行い、震災避難者へのサポートも継続して行いました。
研究活動も精力的におこないました。
中山寺では戌の日のイベントで数百人の方にアロマケアを行ったり、阪急百貨店のオープンイベントでも香りとタッチと心拍変動についての研究など、今も思い出します。

わたしは、ここで、ラヴィングタッチケア の土台を構築し、毎年のシンポジウムでの発表や運営、企画など、貴重な経験をさせていただきました。
立ち上げから10年勤めた理事を任期満了で退任しましたが、ずっとその活動を応援し、支えている気持ちでした。
残念ながら、時代の流れの中、諸般の事情で今年6月に、13年の活動に幕を下ろすことになりました。
こころに穴が空いたような、その隙間に風が吹くような、寂しさを感じていました。情けないのですが、整理ができず、NPO団体の活動を支えてくださった多くの方にもまだなにも言えていません。ごめんなさい。

立ち上げ当初、わたしたちは、『りなちゃん、聞いて』という絵本をNPOで出版しました。
30代の女性が子宮頸がんとなり、幼いりなちゃんを遺して旅立つ現実と向き合い、サポートをしていた理事で看護師アロマセラピストの宮里文子さんがアイデアを出し、りなちゃんへ毎年送る誕生日カードを作成して託しました。
シングルマザーであったお母さんが、幼いお子さんを遺していく無念な思い、悲しみ、成長していく姿を見届けたり、悩んでいる娘のそばに寄り添うことができない苦しさを超えて、どうしても、伝えたかったメッセージを丁寧に集めて、柔らかなタッチのイラストとともに絵本にしたのです。

絵本には、本当にたくさんの想いが込められていました。多くの方の心に響きました。
絵本が一冊売れるたびに、みんなで喜び合いました。
資金の乏しい団体でしたが、収益の一部を寄付しました。

この絵本は、大きな反響を呼び、新聞各社にも取材をしていただき、テレビ番組「アンビリバボー」でも取り上げていただきました。

今、帰宅して新聞の記事の写真が目に入りました。

あのときの、りなちゃんです!!

弁護士さんに託した、お母さんからの誕生日カードは約束通り毎年、りなちゃんに届けられ、小さな少女は笑顔の素敵な女性になられていました。
児童福祉士を目指しておられると。

りなちゃん、ありがとう。

人と人のつながりと想いは、これからもずっとずっと続いていく。

あのとき、10年後のりなちゃんのしあわせを願って涙を流した仲間の顔を思い出します。


読売新聞2021年9月25日のリンクを転載させていただきます。不適切である場合、削除いたします。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210925-OYT1T50139/?fbclid=IwAR06_CZ7KNwpwSU4iNzr_Mwcl-tD1xON9OfNm-ALailyHWPZ9Jko2-c4Nbc