新年早々から、素晴らしい学びになりました。
アナトミートレイン筋膜解剖オンラインクラス、頭頸部にフォーカスした2日間6時間のライブストリーミングでした。

数年前、アリゾナで開催された、Todd Garcia先生のラボでの冷凍のご献体での解剖実習に参加させていただいたとき、ご献体を提供してくださった方へのTodd の尊重と感謝の思いが隅々まで行き渡り、静謐な平和な空間であったことをありありと思い出しました。

今日のTodd Garcia先生の解剖の速度、正確さ、淀みのなさ、そして静かなパッション。
プロフェッショナルとはこういうことか。
一つの答えに、方法に、満足することなく、もっと良い物を作り出し、見つけ出し、提供する工夫とチームワークにも強く感じるものがありました。

今回、頭頸部を集中して解剖してくださったのですが、早い、早い、早すぎる、もうスケッチがぜんぜん追いつかず、手元を追い、画面にのめり込むほど近づき、逐語でコメントを描き、解剖書をめくり、トイレに立つのももったいほどでした。

数年前、解剖実習へ参加することを決めてからは、毎晩、解剖学の本をひたすら写し、名称と位置を覚え、手順のイメージトレーニングをしました。
解剖を実際に行なっているときは、無我夢中で、ひたすらに手を動かし、目を動かし、頭をフル回転させることで精一杯。
身体は教科書の記述をはるかに超えた精密さと繋がりを持ち、「ああ、これは!」「すごいな」をずっと感じ続けた5日間でした。

解剖実習では解剖チームのメンバーそれぞれが、フォーカスしたい部位をまず共有してからスタートします。
わたしは「脳神経」を個人テーマにして臨んでいました。
残念なことに、わたしのチームは柔らかな脳を上手に剖出することができず、また次の機会に、と思っていたら、Todが隣のテーブルでの解剖に呼んでくださいました。
綺麗に剖出された脳幹部と12対の脳神経、そして脳下垂体を見せてくださいました。
一人一人の希望を知っていてくださったのです!
今日のライブストリーミングでも、神業のような手捌きで、同じく脳神経と眼球や鼻、口腔と関連つけて、クリアに見せてくださいました。

Toddの解剖はまるで彫刻のよう。
解剖をしている、というよりもメスの先を巧みに、ちょうど絵筆で塊になっている粘土をサラサラと撫でているように見えて、内側からはっきりと「存在」が明確に立ち現れてくるのです。

解剖でわたしが知ったこと。再確認したこと。言葉を超えて強く感じたこと。

それは繋がり。

人の体はどの細部も、「独立」した存在はひとつもありませんでした。

繋がり、支え合い、連動し、調和する。
それがいのちという「流れ」の本質なのかもしれません。

海外渡航がまた自由になったら、新しくなった Toddのラボに行きたいな。あの素敵なメンバーにまた会えたら 嬉しいな。

全く新しい角度で人の体の美しさ、強靭さ、繊細さ、精密さ、不思議さを見せてくださったTodd先生、素晴らしいコンビネーションで解説してくださったThomas Myers先生、声も通訳も何もかもリスペクトしている香織さん、等頸部の解剖ストリーミングをオファーしてくださった歯科医チームのみなさま、最高のチームワークで支えてくださったスタッフの皆様、ありがとうございました!

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