熊野に来ています。

星を見に来ました。
天の川が乳白色の帯のよう。
夏の大三角、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ。
大三角よりも木星が目立っています。木星ってこんなに大きかったかな。
赤いアンタレス、わしを射ようと弓を向ける射手座、そして、ヒューンと音がしそうでしない流れ星。
ハワイ島の4000mのマウナケアの山頂からみた星空を思い出します。

時間がゆっくり流れています。
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こどもたちが小学生くらいまでは、熊野本宮にほど近い野営場で毎年キャンプをしていました。
1日川に入り、川底を掘ると温泉が出てくるので身体を温め、大斎原から熊野本宮、湯峰温泉を巡るのが定番のコースでした。

お金をかけることはできなかったけれど、コンパクトカーにテントとシュラフを乗せ、北海道や九州、上高地、乗鞍などあちこちを旅しました。
そんな日々がずっと続くと思っていたのですが、さすがに中学に通うようになると全員揃っての旅は難しくなり、数年ぶりの熊野。暑いです。

熊野本宮へのご参拝の前には、必ず湯の峰温泉に泊まり、湯垢離(ゆごり)をすることが習わしだったといいます。
湯の峰温泉は、死を目前にした小栗判官がここの薬湯で湯治を行い病から回復を遂げたと伝わる奇跡の湯、
有名な壺湯の入り口には東光寺というお寺があります。
1800年前と伝わる湯の花の自然石が薬師如来そのもののお姿をされているのです。
ちょうど豊かな胸のあたりから薬湯が流れていたという伝説から「湯の胸」→「湯の峰」温泉と名付けられています。
何度も訪れていながら、今回初めて、湯の花の薬師如来の像を見せていただくことができました。
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熊野は蘇りの地といわれます。
平安時代には後鳥羽上皇はじめ多くの貴族や人々が、ありの如く列をなして熊野を詣でました。
熊野を詣でることは、黄泉の国へ行き、また現世に戻る蘇りのプロセスを体験することでした。

蘇りの土地で出会う人は優しく、かじかの声が響いています。
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