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補完療法を行うわたしが、
「なおる」という言葉を使うことはない。

医療者はなおさら、「なおる」の強力な力を知っているので、
不用意には使わない。

まず、本のタイトル『DVはなおる』に
長年男性のためのメンズリブを
日本で最初に提案し、
活動を続けてきた著者の覚悟が伝わる。

著者の味沢道明さんとの出会いは1990年代初頭。
当時働いていた、
京都の「HELP」という自然な食べ物を扱う、
当時は日本でも稀有だった添加物や農薬を使わない安全な食べ物だけを販売する
スーパー形式の店のキッチンスペースを使っての
「男の料理教室」をお願いしたことがきっかけだった。

ウーマンリブからさらに発展し、
フェミニズム旋風が吹き荒れていた時代に、
味沢さんの提唱する「男性支援」のための
「メンズリブ」という言葉に戸惑い、驚いた。
でも、よく考えたら当たり前のことだった。

わたしは「女だから勉強するな」
「女は、何もいうな」
「女は男をたてて、ニコニコしてたらいい」と言われて育った。

大学進学は父も母も大反対だったので、
塾にも予備校にもいかず、
バイトで学費をため、郵便局の就職の内定も取ってから大学受験をして、
合格してからは家を離れた。
バイトと奨学金だけで、
一人暮らしと学費を賄った。

だから男性への「男はいいな」「男に生まれたら良かった」と「男は得だ」という気持ちをずっと燻らせていた。
でも味沢さんのメンズリブ運動を知り、見方が変わった。
「男らしく」
「男は働く」
「男は妻子を養う」
「男は強く」
そんなメッセージの中で傷つき、疲弊し、
表現手段を奪われている男たちがたくさんいることを知った。

男だから、女だから、という二項対立からは感情的な分断しか生まれない。

日本家族再生センターでは、
加害者に向き合う。

「加害者にせよ、被害者にせよ、
多くの当事者は生育の中で
受容的共感的に育てられることなく
愛や承認を求め続ける心の穴を抱えています(本文より)」

加害者は加害者なのか。
加害者は被害者なのではないか。

そんな視点があるか、ないかで、
関わりやサポートの質は大きく変わるだろう。

「DVはなおる」のかどうか、わたしには判断できない。
だが、本書の事例を読むと希望が湧いてくる。
本当は、男にも、女にも、赤ちゃんにも、
こどもにも、高齢者にも、障がいのある人にも、誰もが認められる社会が必要なんだとわかる。
#読書記録 #DVはなおる