日本歯科医学会の小児口腔機能発達評価マニュアルに対して、
こどもたちの歯、口腔環境から発達まで、
そこからずっと続く高齢期までの咀嚼と嚥下までを、
真剣に考えて行動する歯科の専門職の方々の
ディスカッションの場に参加させていただきました。

姿勢と食べること、育つことの関連がより立体的になりました。

歯から見えてくるこどもたちの育ちが多くの方に伝わりますよう、
シェアさせていただきます(^-^)
山田先生、お声かけいただきありがとうございます😊

ここからは提案者の山田 翔先生の記事を引用します。

日本歯科医学会の小児口腔機能発達評価マニュアル。
http://www.jads.jp/2018/0215/index.html

パブリックコメント公募の締め切りが明日の正午に迫り、
集まった仲間たちの意見の集約がついに完了!

たくさんの方と本当に素晴らしいディスカッションができて、
それだけで勉強になりまくり。刺激受けまくり。

そして、ここで終わらない。
終わるわけがない(笑)

僕たちバージョンの「何か」を作る!
すっごく楽しそうな展開になってきました!
一緒にやりたいやつ、集まれー!!!

まずは今回の意見書を、シェアします。
もっともっと良いものを作って、
子どもたちに関わる人に届けて、
子どもたちの笑顔に、未来につなげたい!!!

たけのやま歯科 山田翔

小児の口腔機能発達評価マニュアル(案)意見書

お世話になっております。
貴会ご作成のマニュアルへのパブリックコメントの募集をきっかけに、
私の知人を中心にディスカッションを行わせていただき、集まった意見をまとめさせていただきましたのでご報告いたします。

まず、このようなマニュアルのご作成にご尽力いただきましたことを感謝申し上げます。
作成までにも多くのディスカッションが行われたことと思います。
そのお志とご尽力に頭の下がる思いです。
さらにより良い形で、子どもたちの健康に寄与できるものになることを願い、
誠に僭越ながら意見をお送りいたします。

まず冒頭の「マニュアル作成の目的」より、
基本的に歯科医院に来院した人で困っている人に対応するマニュアルと受け取りましたが、
保健分野や保育所、幼稚園、学校歯科との連携を図るなどの主旨があるとより良いのではと思います。
例えば、保健センターでの健診でのスクリーニングから、
口腔機能管理を実施している歯科医院に連携する、
学校保健安全法においての歯科健診の内容として口腔機能の基本診査を入れて、
歯科医院に受診勧告するというような流れなどがベースにあるといいですね。
そして、この口腔機能管理を実施する歯科医院は最低
このマニュアルに沿った研修を受けた専門職がいるという行政との連携が必要かと思います。
(奈良県下の行政の管理栄養士さんが健診時の指導マニュアルを作成されています。‪http://www4.kcn.ne.jp/~n-eiyou/top/sien-chart3.pdf)
それに関連し、本マニュアル中の「保護者」の表現を
「保育者」としたほうが望ましいのではないかと思います。

内容についてですが、
p.8の、
「定型発達児で5〜6か月ごろ離乳食が開始される...」から始まる、
離乳食を月齢で示しているところが最も多くの参加者から懸念が示されました。

厚生労働省が基準としている「離乳の基本」も月齢を中心に展開されており、
今回のマニュアルも歯の萌出や発達段階に触れられてはいるものの、
月齢を記載すると指導者側も、保育者側も月齢に縛られがちな傾向となります。
実際のその子どもの発達段階や食べられるものと大きく異なる場合も多くあり、
保育者を混乱させてしまう元となってしまっている現状は、
委員の先生方もご存知のところと思います。
開始時期は腰が据わってからが適切と思われますので、
実際はおよそ6〜7か月となるはずです。
できれば「いつ何を食べさせるか」ではなく、
「いつまでに何を食べられるようになればよいか」という視点で書かれた方が良いと思いますが、
もし月齢を中心に書かれるとしたら、
月齢よりも発達段階を優先して判断すべきであることを十分に強調し、
「およそ5〜6か月」という表現
、もしくは「およそ5〜6ヶ月(椅子などに座らずひとり座りできること)」というように発達の目安も記載しておくべきと考えます。
(「いつまでに何を食べられるようになるか」についてはこちらの論文が参考になると思います。https://www.babydnet.org/dr-kin/)

12か月ごろには手づかみ食べが盛んになる、ともありますが、
口腔機能の発育の観点からはもっと早くからチャレンジはさせていくべきと思いますので、
そのことを明記しないと、1歳前後でやらせればよい、と誤認を生むのではないかと思います。
実際は10ヶ月前後ぐらいか、もっと早いのではないかと思います。

これらの「月齢での表記」と「手づかみ食べの時期」の二点が最も多く意見が集まりましたので、
強調してお伝えいたします。

以下は、長くなりますので簡単に書かせていただきます。

p.8 食べる機能
離乳食初期から後期まで口の動き段階別に記載したほうがわかりやすい。
(2)△凌事時の口の動きは1歳近くになってからみられる動きであるため、
左右対称から左右非対称になる時期が抜け落ちているのでは。

p.10栄養摂取量の質問「おっぱい、ミルクが足りている足りているのか心配」
母乳栄養の場合だけでなくミルクの場合も記載すべき。
子どもの日中生活活動(保育園に預けている、外出が多いなど)、
母乳であれば母親の食事や水分摂取回数チェックするとよい。

p12の質問「卒乳をいつすればよいか分からない」
チェック項目に飲料の種類、乳歯齲蝕の有無などが必要。
捕食の口と授乳の口の違いなど歯科から伝えるべき情報も入れてほしい。

p13 食行動
哺乳ばかりで離乳食を食べたがらない
→哺乳している理由に利便性授乳(泣いてほしくない、静かにさせたいなど)の有無、
食事前の授乳をチェックすべき
食べ物に興味を示さない
→食事環境において個食になっていないか(離乳期は子どもの食事を先に済ませるケースが多い)
吐き出す
→乳歯萌出時期の差、あるいは乳臼歯萌出以前では十分咀嚼できにくい。
ただしチャレンジは続けるべきということも伝えるように。
好き嫌い
→新奇性恐怖の可能性も記載するべきでは。

p.14 ストロー飲みについて
「舌で巻き込んで使っている場合は中止」とありますが、
乳児嚥下残存につながるので、歯科的視点からのみ伝えるなら、
ストロー飲みそのものを避けていくように伝えてもいいかもしれない。
そもそもストローは必要なのかという点から。
せめてストローの長さを短めにするように、または、
すすりのみができるようにしてから、というように書いておけるとよいのではないか。

p15
構音機能
難聴検査の有無などの確認、もしくは連携も必要でしょうか。

p.21 「口腔機能が育っていない場合は食形態を軟らかい物に調整する」とありますが、
それでも徐々に口腔機能を育てる方向へチャレンジしていくことも含ませておいていただければ。

小帯付着が軽度で経過観察でいいのか、
切除が必要なのかはマニュアル化するのは難しいところですね。
安易な切除の危険性も考慮すべきと考えます。
口呼吸の項目では舌小帯短縮による低位舌について触れていませんが、
これも考慮していただけるとよいと思います。
また、小帯の付着や舌突出癖、成長発育に関しては、
遺伝的影響も考慮すべきだと思うのですが、
今回のマニュアルには親族の家族歴に触れていないので、その欄もあると良いと思いました。

食行動の環境因子として適正な椅子や机、姿勢についての記述が乏しいのが気になりました。
ステージ5には記載がありますが、授乳姿勢など、
もっと最初のステージから寝姿勢、抱っこの姿勢、呼吸、食事の姿勢などにも記載をすべきではないでしょうか。

以上です。
長文となりまして申し訳ありません。

子どもたちにとって、保育者にとって、より良いものとなりますように心より願っております。

3/1の発行まであとわずかではございますが、何卒ご検討のほど、よろしくお願いいたします。