『自然の中には僕の愛に値しないものは何もない。
 一人の人間も、一本の木も』

…ロマン・ロラン

池澤夏樹さんが、世界文学全集を編纂したという
記事を読んで、
そういえば、世界文学全集を全部読破しようと
していた思春期を思い出しました。


本を読むことが大好きな子どもでした。
孤独だったのかもしれません。
小学6年生のときには
モーリス・ルブランのルパンシリーズ、
コナン・ドイルのホームズ、
アガサ・クリスティのポワロもの
モンゴメリの赤毛のアン、
トルストイもロマン・ロランも大好きでした。

中学になると、
チェーホフやヘッセ、カフカ、ロラン、ドストエフスキー、
老子、孔子、唐詩選、源氏物語、三島由紀夫、実篤、
ユング、フロイト・・。
古今東西、名作も迷作も手当たり次第に乱読していました(^_^;)
また読みたいな。年を経た今なら、どんな風に感じるのでしょう。

体育会系のハードなクラブで毎日しごかれ、
手話のボランティアサークルに入り、
英語クラブで弁論大会に出場し、
友人や彼とも遊んでいたのに、
どこにそんな読書の時間があったのだろう、と
不思議に思います。

ロマン・ロランの反骨精神ともいうべき、
慣れ親しんだ既成の価値観に
疑問を抱くことなく安住しているものへの
痛烈な批判。
貧しいもの、虐げられたものへの優しい視線、
勇気をもって人生を生きよ!と鼓舞する力。
どんな人生にも尊い意味があるのだと
希望を抱く思想の底辺には、ロランがあります。


「ぼくを悩ますがいい!・・・
悩むこと、それもやっぱり生きることなのだ!」

『ジャン・クリストフ』の主人公が
絶望の中で叫んだことばにどれだけ勇気付けられて、
なんとか生き延びてきたことでしょう。



「今日の人々よ、若い人々よ、
今度は君たちの番が来ている!
われわれを踏み超えて行きたまえ。
そして前進したまえ。
われわれよりもいっそう偉大で、
いっそう幸福でありたまえ」

悩みがあっても
あまりにつらくて人生に絶望していたとしても
すべてのかけがえのない経験、
一本の樹、一枚の葉、すべての人は
わたしの愛に値する、と
秋の空を眺めながら考えました・・。