大切に読み継いできた本を原作にした映画が公開されました。
主演のひとりは、シャーリー・マクレーンの娘さんの
サチ・パーカーさんです。

予告を見るたびに、
手蔦葵さんの歌声が、緑豊かな映像と重なり
それだけで涙が出ていたのです。


映画「西の魔女が死んだ」は
梨木香歩さんが書いた同名の児童書を原作にしています。
学校に行けなくなった少女のまいが
森にひとりで暮らす「西の魔女」である
母方の祖母とともに暮らすことになった短い時間を
美しく描いた秀作。

映画での冒頭シーン。
懐かしい、古びた木の家の入り口に続くアプローチ。
手入れの行き届いた、自然を生かした庭に
すっくと立つハーブの凛とした美しさ。
そんな何気ない、でも調和にあふれたシーンが、
わたしの心のずっと奥の大切なものに触れ続け、
涙が溢れて止まりませんでした。


「人はみんな幸せになれるように
できているんですよ」


生きるのに疲れてしまい、
心を閉ざしてしまうときが誰にもあります。
そんな時、必要なのは、
温かいハーブティや、
何もいわずに包み込んでくれる花や樹や森や鳥や虫や山や、
生きる力とプロセスを信じて見守ってくれる存在。

こんなおばあちゃんと一緒に暮らせたら、
その思いやりに満ちた声を聴いたら、
きっと、また自分の足で歩いていける・・。


魔女のおばあちゃんを演じるサチ・パーカーさんが
温かく、優しく、本当に魔女なんだと素直に思えます。

あまり人に話さなかったのですが、
・・・実はわたしも魔女なんです・・・

というとびっくりされるかな。
人々の心に寄り添い、
心身を健康に、命を大切に、植物の叡智を学び、
敬意を持って扱う人間を、ある時代、人は魔女と呼びました。
アロマセラピストになったとき、
「これで、晴れて魔女の一員だ!」と嬉しく思ったのです。
まだまだ魔女修行の身ですが、
だからこそ「西の魔女」の生き方に惹かれるのかも
しれません。
いつか、あの場所にわたしも還っていくでしょう・・。

子どもたちも、おいおい映画館で泣き、
マイタオルを涙でぬらし、
みんな目を真っ赤に腫らして、帰宅の途に着きました。

映画を観た次の日、
ケアルームを終わったその足で、CDショップと本屋に寄り
手蔦葵さんの歌う主題歌の「虹」のCDと
原作の小説を買いました。
今も、美しい歌声を聞きながらこの記事を書いています。
心が、大きく羽根を広げて、
もっと大きな空へと飛び立つような
幸せを感じています。




</div>