緩和ケアでのアロマセラピーについては
今までほとんど書いていませんでした。
それが、今回、青い青い空をみて
ある患者さんのことを思い出したとき、
書きたい、と思いました。

書き始めるととまらない。
どれだけ多くの患者さんがアロマセラピーの
日を心待ちにしていることか。
そして、医療従事者ではないわたしたちアロマセラピストが
医療の現場で患者様に触れることができる、
ということがどれほど大変なことなのか。
何が求められ、何が可能で、何が危険なことか。
まだまだ課題も解決しなければいけない問題も
たくさんあります。
それでも、ほんのほ〜んの少しずつですが
着実にアロマセラピーをはじめとする様々な代替療法と
西洋医学がともに手をとりあい、
医療の現場で、お互いに対抗することなく
ひとりひとりの患者様に対してチームとして
まるごとケアできるような環境を
整えよう、としていると感じます。
ほんとうに、ちょっとずつです。

さてMさんに戻ります。
事前のカンファでの申し送りでは、
Mさんは仙骨部の腫瘍が引き起こす、
慢性的な腰の痛みと下肢のだるさ、重さを訴え、
精神的にもまいっているということでした。

痛みを緩和する薬理成分を持つ、
いくつかの精油をブレンドし、
香りをかいでいただきました。
60代のMさんはきっと、アロマセラピー
という言葉を聞いたこともなかったでしょう。
さわやかな、でもほっとするような懐かしいブレンドの
香りをかいだとき、Mさんの表情が変わりました。


正座を崩してもらい、足から静かにトリートメントを始めました。
浮腫は見られず、痩せてはいましたが
きれいな足をしておられます。
ゆっくり、ゆっくり、やさしく、やさしく。
Mさんの呼吸を確認しながら、
スピードと圧を調整し、できるだけリラックスしていただきたい
一心で、掌を肌に密着させます。
手と肌が触れると、オイルが触媒となって
熱を発し、あたたかさに包まれます。

ふいに、「はあ〜」と大きくため息をつかれました。





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