今日の大阪は雨でした。
こんな足元の悪い中、
昨年秋に乳がん手術をした方が
わざわざケアルームにお越しくださいました。

今日はトリートメントではなく、
抗がん剤と放射線治療の辛さを支えてほしい、
と精油を選びにこられました。
そしてゆっくりと話しを聞いてほしいとの
ご希望でした。

アロマセラピーを使ったケアで
抗がん剤や放射線治療を支える方法について
いろいろとお話ししました。

一番身近で簡単なのは、芳香浴です。
ティッシュにティートリーやレモンなどの
殺菌効果があり、免疫力を賦活する作用にも優れ、
すーとした爽やかな香りの精油を2〜3滴落として、
病院へ行くときのカバンに入れてもらうように
しました。
抗がん剤治療中は、免疫力が低下しますので、
細菌やウイルス、カビなどに感染しやすくなります。
そのため、免疫賦活作用のある精油の中から
お好きな香りのものを中心にした自宅での芳香浴も
おすすめしました。


乳がん患者さんと香りの関係では、
手術前に好きな精油の香りを選んでいただき、
手術後、好きな香りのある部屋へ入室した患者さんと
通常の病室へ入室した患者さんとでは、
術後の回復に有意な差がでたという研究があります。
もちろん、好きな精油の香りのある部屋の患者さんは
傷の回復も早く、鎮痛剤の量も少なく、
退院までの日数も短縮されたといいます。

また、化学療法による副作用で
毛髪がどんどんと抜け落ちていきます。
これは抗がん剤の作用によって、
血液細胞、口腔粘膜、胃腸粘膜、毛根の細胞などの、
がん細胞よりも分裂の速い細胞がダメージを受け、
脱毛をはじめ、吐き気や白血球数の低下、食欲不振、
静脈壁狭窄などのいろいろな副作用が出てくるからです。

一時期ごっそり抜けた毛髪は、
化学療法が終了して何ヶ月かすると、
必ずきれいに生え揃ってくるのですが、
自慢の長い髪が、抜けていく悲しさ、辛さは
本人でなくては分かり得ないのですね。

精油を使った頭髪用ブレンドオイルでのお手入れ
も可能です。
ホホバやつばきオイルをベースに、
ローズマリー、ラベンダー、ゼラニウムなどを
ブレンドしたオイルで、体調の良いときに無理をしない
程度に頭髪のオイルマッサージをしていただきます。

他にも、いろいろとアロマケアがありますが、
アロマセラピーや精油はお薬ではありませんし、
これで治す、治る、という趣旨のものでは
ありません。
もし試してみたいと思われた方は
担当医師の許可をとり、経験豊富なプロの
アロマセラピストにご相談くださいね。

「楽しい話と違うから、家族にも友人にも
こんな話しできない。
香りも良かったけど、ゆっくりと話を聞いてもらえた
ことが一番支えになりました。」との言葉を残して
お客様はお帰りになりました。

辛い病気の方は「このしんどさは誰にも分からない、
あなたに分かるはずがない」
という思いを抱えておられます。
私自身も病気でずっと寝ていた長い時期があるので、
そのお気持ちは痛いほどに分かります。

病院ではこころのしんどさまでは
治療してもらえません。
家族には、経済的なことや、家事の負担、
心配をこれ以上かけられない、
と弱音を吐くこともできず、
ひとりで辛い治療に向かい、苦痛と戦っておられます。
アロマセラピストは、
魔法のように苦痛を取り去ることも、
病気を代わることもできません。
でも精油の優しい香りと成分の作用を生かして、
少しでもストレスを和らげるお手伝いができるのでは
ないか、
ゆっくりとお話しを伺い、受け入れ、
ほっと一息ついて、泣いたりリラックスできる場所を
提供できるのではないか、と考えています。
なによりも「いつもそばにいるよ」、という
メッセージを送り続けていきます。










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