乳がんの方にとって、
アロマセラピーは治療の代わりには
ならないけれど
(代替療法としての使用は
これから増えていくと思いますが)
辛く苦しい痛みを伴う治療の枠組みのなかで、
大きな慰めや希望や安心感をもたらすもので
あると前回書きました。

では実際に、乳がんの方に
リラックスのためのアロマセラピーを
行うとき、どんな精油を選べばいいのでしょうか。

基本的には、好きな香りであれば
どの精油を使ってもいいと思いますが、
避けたほうがいい精油もありますので

禁忌について
お話しをしておきます。

精油(エッセンシャルオイル)は
植物の芳香成分を含む部分を
水蒸気蒸留にかけることで抽出される、
とても濃縮された揮発性のある、
植物のエッセンスであり
化学成分の集まりです。

精油の薬理作用というとき、
たとえば、エステル類の化学構造を
持つ成分を含む精油には
抗炎症作用や神経系に対する鎮静強壮作用を
期待します。
ですからエステル類を多く含む
ラベンダーやネロリ、ベルガモット
クラリセージには心を静めたり
炎症を鎮める作用があるのです。

その化学成分はそれぞれに
多様な働きがあり、
精油をまるごと使う時には
たとえば皮膚刺激をもたらす
成分が含まれていても
その皮膚刺激を治めてくれる成分も
含まれていることが多く、
濃度や使用法を間違えなければ、
安全に使用することができるのです。
(中には成分が強すぎる精油もあります。
注意してくださいね)

それら成分の中に、女性ホルモンのような
働きをするものがあります。
この女性ホルモン様作用のある精油は
生理不順や生理痛のときには
強い味方となってくれますが
乳がんに限っては、この女性ホルモン様の
作用がさらにガンの活性化を促してしまう
のではないか、と危惧されているのです。
はっきりとした研究データがきちんと
出ているわけではありませんが、
これらの精油の使用は控えたほうがいいでしょう。

<使用を控える精油>
・フェンネル
・アニスシード
・クラリセージ
・ローズ
・ゼラニウム

また治療の際の薬剤の働きを阻害する
恐れのある精油として宝塚で産婦人科医をされている
大門先生のメルマガに以下のものも
記載されていました。

現時点では根拠を完全に確認していませんが
避けておいたほうが良いと思います。

<使用を避けたほうがいい精油>
・シダーウッド
・シナモン
・ジュニパー
・ユーカリ
・レモン
などです。


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